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キッチンレビュー 吉本ばなな著

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知人が吉本ばななさんの読書会を開いていたので、私も読んでみようと本を借りてきました。

軽やかでふわっとして優しい文章でした。そして読みやすく女性受けする感じでした。

重くて人間の本質をえぐるような本が好きな私には、新鮮でみずみずしくこんな作家さんもいいなぁと思える本でした。

「キッチン」は祖母を亡くし一人になってしまったみかげが、田辺家にやっかいになり雄一と雄一の母えり子と暫く暮らしていく話しです。

えり子は本当は父親なのだが、女性の姿をして母として雄一を育てています。

三人での生活が癒やされます。

 

少し本より抜粋

嫌なことはくさるほどあり、道は目をそむけたいくらいけわしいと思う日の何と多いことでしょう。愛すら、全てを救ってはくれない。それでも黄昏の西陽に包まれて、この人は細い手で草木に水をやっている。

透明な水の流れに、虹の輪ができそうな輝く甘い光の中で。  以上

 

えり子さんもかっこよく亡くなってしまいます。みかげと雄一の関係の持っていき方もなかなか素敵でした。

死へのこの方の感性好きです。

暗くはなく読後感が爽やかです。

ムーンライトシャドウというお話しも載っています。

こちらは大好きだった人の突然の死と向き合い、別れを意識するまでの苦悩が爽やかに書かれています。

決して重くないといいますか、読んでいて軽やかなんです。

とても読みやすく女性にはおすすめかな。

 

 


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